おがのまちの最奥で育まれる、自然と人が織りなす氷の芸術
尾ノ内渓谷氷柱
自然・アウトドア
- ご当地グルメ
- バス停より徒歩20分以内
- 写真映え
- 子どもと一緒
- 川・滝
- 星空
- 終点の風景
2025.10.31
冬の風物詩「秩父三大氷柱」発祥の地で、神秘的な体験を
“尾ノ内渓谷”で、毎年1月中旬から2月下旬にかけて見られるのが「尾ノ内渓谷氷柱」。あしがくぼ、三十槌とあわせて“秩父三大氷柱”と呼ばれています。2010年頃より秩父の冬の風物詩として台頭しましたが、実はおがのまちの「尾ノ内渓谷氷柱」が発祥です。谷あいの岩肌や木々に作られる巨大な氷の芸術は、最も凍る時で高さ約30メートル、幅およそ250メートルもの大きさになります。見どころは、氷柱を横断する「尾ノ内渓谷のつり橋」。目前に広がる氷の景色に足を踏み出せば、まるで別世界に迷い込んだような神秘的な体験が味わえます。期間中は町外・県外からも多くの人が訪れます。
自然と人が織りなす芸術作品、試行錯誤の結晶もぜひ楽しんで
実はこの巨大氷柱、自然にできるのではなく、地元住民らによって手作りされています。岩肌にホースを張り巡らせ小さな穴を開け、尾ノ内沢から引いた水を少しずつ放水し凍らせるという仕組み。冬季の日照時間が短く、夜間の気温がうんと低くなる尾ノ内渓谷だからこそ、実現しました。冬以外に訪れて、露出する黒いホースや鉄骨にすこし驚く人もいるかもしれませんが、それらは氷柱づくりに必要なものなのです。危険を伴うメンテナンス作業は、開園の約4か月前から始まります。気温や日差しによっても出来映えが異なるため、目の前の光景は後にも先にもこの瞬間のみ。まさに、自然の恵みと人々の試行錯誤が成せる業がここにあります。寒い山あいでのそんなエピソードを想像した時、ちょっぴり心が熱くなりませんか。
沢の水で発電したライトアップと、お母さん方の郷土料理も
温暖化の影響で以前ほど大きな氷柱が凍らなくなっている近年。しかし、地元住民は趣向を凝らします。例えば、氷柱開園時に週末限定で開催される、ライトアップイベント。氷には青や紫、ピンクの光が幻想的に投影され、つり橋までの遊歩道に設置された竹あかりや竹まりが和の趣を演出します。驚くべきは、なんとこの電力は沢の奥にある「小水力発電」を活用しているということ。そういった日進月歩の根底には地域の人たちの「こんな山奥までお客様が来てくれて有難い」という想いがあるといいます。
期間中は地元のお母さん方により、甘酒のふるまいや、たらし焼きやすいとんなどの販売も行われます。冬のおがの随一の景観や人々のおもてなし、「まず、やってんべぇ(やってみよう)」のマインドが、どうか、あなたの明日の活力になりますように。

