とどろく火縄銃、一年を締めくくる秩父路の勇壮神事
八幡神社の鉄砲祭り
歴史・文化
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2025.12.11
秩父地方の一年を締めくくる、秩父三マチのひとつ「鉄砲祭り」の迫力
おがのまち・飯田にある「八幡神社」で行われるお祭りは、秩父祭り(秩父市)、薬師様(両神薄)とともに、“秩父三マチ(祭)”の一つに数えられるほど古くからにぎわうお祭りです。平安前期に奉斎し社殿を造営したと伝えられている「八幡神社」。播磨(現・兵庫県)からくだった播磨一族が、上野の国(現・群馬県)から峠を越して、ここ上飯田の地に土着した際に奉持したのが八幡神だったことが、この神社の由来と言われています。普段は山里の静けさに包まれたこの八幡神社の境内で、12月第二日曜とその前日に行われるのが「鉄砲祭り」。豊猟を祈願することに由来する説、猟師たちが火薬の成果を知るために祭りで試し撃ちをしたことに由来する説など、この祭りの起源には諸説あります。
お立ち神事の迫力と参道に集まる人々の熱気を肌で感じる
「鉄砲祭り」は2日間にわたり開催され、初日は“前日祭”として祭り関係者の宮参りに始まり、屋台笠鉾(かさぼこ)の曳き回しや伝統の歌舞伎上演などが行われます。翌日の“本祭”では、神事と付祭りが執り行われ、祭り屋台では歌舞伎が、神楽殿では神楽が奉納されます。祭りがクライマックスを迎えるのは、“お立ち”といわれる神事のとき。大名行列の装束をまとった人々の列に続き、2頭の御神馬が参道を一気に駆け上がります。その瞬間、参道の両脇から火縄銃が放たれ、轟音とともに白煙が立ちのぼり、詰めかけた人々から大きな歓声が上がります。続く川瀬神事では、播磨一党により神輿が担がれ、御神体が鎮座されている赤平川の上流・八幡淵までおろされます。そして、打ち上げ花火の奉納により幕を閉じます。冬空の下に人々の笑顔があふれる光景は、おがのまちの冬の風物詩の一つです。
町を練り歩く笠鉾と秩父囃子の華やぎに酔う
「鉄砲祭り」を彩るもう一つの主役が、山あいを練り歩く“笠鉾(かさぼこ)”です。前日祭と本祭の両日、花笠が放射状に垂れ下がった豪華絢爛な山車が秩父囃子の太鼓や笛の音に合わせて曳き回され、祭りに華やぎを添えてくれます。火縄銃の轟きと囃子の音が響き合う瞬間は、地域の信仰と誇りが一つになるような感覚です。「八幡神社の鉄砲祭り」は、今も変わらぬ熱気で秩父路の冬を締めくくる、播磨と秩父の結びつきにいま思いを馳せる祭礼です。
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