一体が自然環境保全地域として守られる、埼玉県唯一の百選滝へ
丸神の滝
自然・アウトドア
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2025.10.31
3段に分かれて流れ落ちる圧巻の名瀑
埼玉県内で唯一“日本の滝百選”に選ばれている「丸神の滝」は、日本の百名山の一つでもある「両神山」から流れる小森川の右岸に合流する滝越沢にある滝です。江戸時代後期に編さんされた“新編武蔵風土記稿”でも、滝が多い秩父でこれほど景観の良いものはないと紹介されており、その美しい姿は今も健在。三段になって黒岩を流れ落ちる落差76メートルの滝は、ダイナミックさと繊細さを兼ね揃え、変化に富んだ水の流れを見ることができます。
目や耳で感じる、清流を遡るハイキングコース
県道37号の『バス停・小森』を西に入りさらに11km進むと専用駐車場があり、西側と東側にそれぞれ入口があります。西口ルートは勾配がやや急ですが、どちらの入口からも片道20〜25分で滝に辿り着けます。遊歩道は初めて訪れる方には比較的緩やかな東口ルートがおすすめ。遊歩道沿いにところどころ小さな橋を渡りながら進むと、木陰を吹き抜ける風に包まれます。川のせせらぎや鳥のさえずり、木々の音に耳を傾ければ、日常を忘れて心地よい汗を流せます。やがて三段の滝が姿を現すと、思わず感嘆の声が上がります。さらに5分ほど登れば、一段目の滝から三段目の滝までを見渡せる展望エリアへ行くこともできます。ところどころ勾配がきつい部分や、雨が降った後はぬかるんだ場所もあるので、歩きやすい靴で歩くのがおすすめです。
季節によって表情の変わる天然林、そして滝
「丸神の滝」の周りはシオジ・ブナ・イヌブナなどの広葉樹を中心にした天然林が広がる自然環境保全地域。埼玉県で初めて指定を受けました。そのため多様な植生を守る配慮がなされ、本来の自然生態系を身近に感じることができます。春から夏は、苔むす岩と木々が合わさり一面に緑が広がる中、そして秋は樹種ごとに多様な色づきを見せる紅葉の中で歩けます。滝の水量も季節によって変わり、夏場は水量が増して水飛沫を感じるほどの迫力ある姿、春は白糸のように水が流れる上品な滝が見られます。冬場は歩道の凍結もありますので、十分ご注意ください。

