自然が作り出すアートと、スリルも楽しめる絶景スポット
お船岩とタフォニ
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2025.10.31
“山寺の先”の神秘と絶景
札所32番「法性寺」の本堂の先には、懸造りで建てられ裏手に「タフォニ」と呼ばれる岩崖を背負う観音堂と、“大日如来”と“お船観音”が祀られている奥の院(岩船山)へと続く道があります。ごつごつとした岩場や鎖場、整備されていない山道を歩くため気力と体力が必要ですが、山歩きに適した服装や靴でのぞめば辿り着くことができ、登った先では心が開けるような素晴らしい景色に出会えます。道中にも見どころや冒険心をくすぐるポイントが多いので、自然に触れながらゆっくり歩を進めてみてください。
大自然と歴史の凄みを感じる観音堂と「タフォニ」
崖の中腹に“懸造り”で建立された観音堂は外からその姿を眺めることはもちろん、“聖観世音菩薩”が安置されている内部にも入ることができます。観音堂の裏には、「タフォニ」と呼ばれる蜂の巣状に穴があいた岩窟が。この穴は、岩石の中の塩類が表面に染み出し、水が蒸発した際に岩石の表面を崩していく風化現象で、まるで自然が生み出したアート。岩窟の中には、子授けのご利益があると言われるお地蔵様も祀られており、自然の力を感じつつ、神聖な空気の流れを感じる場所です。
断崖絶壁の岩場を越えるからこそ見える絶景
観音堂とタフォニを拝観したら、いよいよ奥の院へ。大きな岩が二つ重なるトンネルを抜け、40分ほど山道を歩くと、“大日如来”と“お船観音”の分岐点に。鎖を頼りに、大きな岩にへばりつくようにしてたどり着くのは、巨大な岩盤の尾根に祀られた“大日如来像”。達成感と合わさってとても神々しく感じられます。一方、「お船岩」と呼ばれる左右絶壁の長い岩の船首にそびえ立つ“お船観音”。足元がすくみながらも先頭まで進むと、そこには凛々しく佇む観音様と、四方の見通しが良いからこそのぞめる空の青さと秩父の山々が。それらが合わさる絶景は一見の価値があります。

