地域文化との結びつきが脈々と感じられる、おがのまちの鎮守様
小鹿神社
歴史・文化
- バス停より徒歩20分以内
- 写真映え
- 子どもと一緒
- 神社仏閣・札所巡り
2025.10.31
古から“鹿”とのつながりが深いと言われる神社
交通安全祈願の聖地、そして町おこしの一環として、現代ではバイク神社としても知られている「小鹿神社」。主祭神は春日大社の神様で、鹿島神社から鹿にのって来られたという逸話をもつことで知られます。その物語に着想を得て、バイクでのまちおこしの際に現・宮司が“鹿をバイクに見立てた”ことが、バイク神社としてのはじまりとなりました。創建については諸説あり、平安時代、藤原秀郷が氏神である春日の神を祀ったことに由来するともいわれています。本殿前広場には神楽殿があり、朱塗りの大鳥居は国道299号線からの目印にも。右手の社務所では、御朱印を直書きいただけるほか、願い石“ブラックオニキス”を求めることもできます。いにしえに想いを馳せてお参りしてみましょう。
おがのまちの中心で、伝統文化に浸る
秩父盆地の西側、両神山の懐に抱かれたおがのまち。町の中心に鎮座する「小鹿神社」では毎年4月第3土曜とその前日の金曜に、おがのまちの4町会が参加する例大祭‟小鹿野春祭り”が開催されます。神事のほか、神様に捧げつつ人間も楽しもうという趣旨で受け継がれてきた“つけ祭り”は観光で訪れた人も楽しめる豪華さです。初日には山車(祭り屋台)に芸座・花道を組んだ‟屋台歌舞伎”が行われ、初代坂東彦五郎が江戸歌舞伎をこの地に伝えたのが始まりで、以来220年にわたって継承されています。また、山車や笠鉾の曳行(えいこう)では、地元の少女たちがきらびやかな衣装をまとい金棒付きとして先導する様子も必見です。
清涼なしらべに神宿る境内を肌で感じる
「小鹿神社」では“小鹿野春祭り”にとどまらず、地域の方々の協力によって趣向を凝らしたイベントが開催されています。夏には和傘や竹あかりによるライトアップが境内を彩り、風鈴が涼やかな音色を響かせます。秋には、地域ボランティアにより、両神のダリア園のダリアが手水の周りに飾られる、“花手水”が見られるときもあります。山から吹き下ろす風が、清々しさも相まって旅情を掻き立ててくれます。季節ごとに、訪れる人に楽しんでいただけるよう、境内にはその時期ならではの飾り付けが施されています。変わらぬ秩父の自然に寄り添いながら、常に新しい風情を感じさせてくれるのも「小鹿神社」の魅力です。

