守り継がれる春、光西寺のシダレザクラ
光西寺のシダレザクラ
自然・アウトドア
- バス停より徒歩20分以内
- 写真映え
- 神社仏閣・札所巡り
- 終点の風景
- 花
2026.1.13
春風に包まれる、光西寺のシダレザクラ並木
光西寺で迎える春は、境内全体がやわらかな花のカーテンに包み込まれます。駐車場で車を停め、勾配のある参道を進むと、約100本ものシダレザクラの並木が迎えてくれます。頭上から降り注ぐように広がる枝と花の間を歩くたびに視界は少しずつ変わり、立ち止まる場所ごとに異なる表情を見せてくれます。派手さはありませんが、風に揺れる枝の重なりが生む奥行きは、写真に収めると想像以上に印象深いもの。参道はやや急な坂道ですが、手すりが設けられているため、ゆっくりと安心して登ることができます。
山里の寺に根づいた、シダレザクラのはじまり
「松風山 光西寺」は、山里の静かな久月(ひさつき)集落に佇む寺院です。例年のシダレザクラの見頃は4月上旬から中旬。現在の桜並木は、1990年ごろ、お寺から分けてもらった畑を有効活用しようと、地元住民である新井清さんとそのお仲間が植樹を始めたことがきっかけでした。メンバーの中に植木屋がおり、余っていた苗木を提供してもらえたことで、最初の植樹が実現したといいます。その後、この想いは地域の若者たちへと受け継がれていきました。
「来てくれるだけでありがたい」桜を守る人たちの想い
新井さんは、「一人でも多くの人に足を運んでいただき、楽しんでほしい。少しでも興味をもって訪れてくれたこと自体が、本当にありがたい」と語ります。”人口が減り静かになっていくこの集落が、桜をきっかけに少しでも賑やかになればいい”、そんな願いからこの並木は育てられてきました。斜面の上にはご先祖様の墓もあり、「春になると、今年もきれいに咲いたなあと愛でてくれているのではないか」と、穏やかに話します。さらに、想いを受け継いでくれる次の世代についても、「続けてくれる人がいることが何よりありがたい」と、感謝の気持ちをにじませます。
想いとともに活動を引き継いだ、地元在住の黒沢和夫さん。黒沢さんもまた、住民の皆さんとともにこの景観を保全しつつ、さらに、手すりを設置するなど、誰もが安心して訪れられる場所として、丁寧に守り続けています。
